20代後半の転職、採用担当に刺さる!印象に残る自己PRの作り方
社会人としての経験を数年積み、自分のキャリアを見つめ直し、転職を決意する20代後半は意外と多いもの。
しかし、いざ自己PRを書こうとすると「何を伝えればいいんだろう?」と悩む方も多いのではないでしょうか。
実は、採用担当者が求めているのは、華々しい実績だけではありません。
むしろ「この人と一緒に働きたい」と思わせる、あなたらしい物語なのです。
今回は、採用担当の心に残る自己PRの作り方を、5つのステップに分けて解説します。

採用担当が知りたいのは「数字」より「思考」

多くの転職者が陥りがちなのが、実績を羅列するだけの自己PRです。
「売上を20%アップさせました」
「プロジェクトを3件成功させました」
といった数字を伴う実績は大切ですが、採用担当が本当に知りたいのは、その数字の裏側にある”あなたの思考プロセス”です。
- なぜその目標を立てたのか?
- どんな困難があり、どう乗り越えたのか?
- その経験から何を学び、次にどう活かそうとしているのか?
こうした問いに答えることで、あなたの価値観や判断基準が見えてきます。
例えば、営業職での実績を伝える場合、
【NG】数字だけの例:
新規顧客開拓で売上を前年比120%に伸ばしました。
【GOOD】思考プロセスを伝えた例:
新規顧客開拓で苦戦していた際、数をこなすより、まず既存顧客との関係を深めることを優先しました。
『この人なら知人を紹介したい』と思ってもらえる信頼を築いた結果、紹介経由での新規契約が増え、売上を前年比120%に伸ばすことができました。
この経験から、目先の数字より、信頼という土台を築くことの大切さを学びました。
採用担当は、スキルだけでなく、”会社のカルチャー”に合う人かどうかを見ています。
だからこそ、あなたの「考え方」を丁寧に伝えることが、印象に残るPRの第一歩なのです。

「再現性」を意識:次の職場でも活かせる強みか?

20代後半の転職で重視されるのが「再現性」です。
つまり、「前職での成功体験が、次の会社でも再現できるかどうか」ということ。
採用担当は、
「この人を採用したら、うちでも同じように成果を出してくれるだろうか?」
ということを見極めようとしています。
そのために大切なのが、具体的なエピソードと、そこから得た”普遍的なスキル”をアピールすることです。
例えば、営業職の方なら:
前職では新規開拓に苦戦していましたが、顧客のニーズを丁寧にヒアリングする習慣を身につけた結果、契約率が30%向上しました。
この『相手の立場で考える姿勢』は、どんな業界でも活かせると考えています。
このように、具体的なエピソードと汎用性のあるスキルをセットで伝えることで、採用担当はあなたの活躍をイメージしやすくなります。

失敗談こそ、あなたの成長を証明する

完璧な成功談だけを並べた自己PRは、かえって信頼感を損なうことがあります。
なぜなら、人は誰しも失敗を経験するものだからです。
むしろ、失敗をどう捉え、どう乗り越えたかを語ることで、あなたの人間性や成長力が伝わります。
採用担当が知りたいのは、
「失敗したときに、この人はどう動くのか?」
ということ。
逃げずに向き合える人なのか、学びに変えられる人なのか。
それらを示すことで、信頼感を与えられます。
例えば:
初めてプロジェクトの進行管理を任されたとき、経験のなさから見通しが甘くなり、納期に遅れそうになったことがあります。
その経験から、進捗をツールで可視化し、周りへの報告・連絡・相談を徹底するようになりました。
失敗を隠さず、そこから何を学んだかを誠実に語ることが、あなたの信頼性を高めるのです。

志望動機と自己PRを一貫したストーリーで繋げる

自己PRと志望動機に一貫性がないと、採用担当はあなたの本音がわからず、選考で落とされる確率が高くなります。
大切なのは、自己PRと志望動機を一本のストーリーで繋ぐことです。
「営業→マーケティング職への転職」を例に見てみましょう。
自己PR:
現職では、営業として顧客の声を直接聞く中で、商品の伝え方次第で反応が大きく変わることに気づきました。
つまり、『顧客視点』で商品の伝え方を変えることが重要ということです。
そこからマーケティングに興味を持ち、独学でSNS運用を学び、今では社内の情報発信を担当しています。
志望動機:
御社では、顧客インサイトを重視したマーケティングを実践されていると伺いました。
私の営業経験で培った『顧客視点』の分析力は、顧客自身も気づいていない深層心理や本音をうまく引き出す際に、力を発揮できると考えています。
この強みがあれば御社のマーケティング部門で成果を出せると確信し、応募に至りました。
このように、「過去の経験→そこから得たスキル→未来の展望」が一本の線でつながることで、採用担当を納得させられる志望動機が出来上がります。

「あなたらしさ」を言葉にする!差別化のポイント

最後に、忘れてはいけないのが「あなたらしさ」です。
スキルや経験が似ている候補者が複数いる場合、最後の決め手となるのは「この人と働きたい」という感情・感覚です。
そのためには、あなたの価値観や人柄が伝わる表現を意識しましょう。
例えば:
「上司や顧客から、対応が誰より丁寧だと褒められます」
「課題を見つけると、つい夢中になってしまう性格です」
「チームで成果を出すことに、最もやりがいを感じます」
こうした一言が、あなたの人となりを伝え、採用担当の記憶に残るのです。
また、趣味や日常の習慣なども、自然に織り交ぜることで親近感が生まれます。
ただし、”仕事との関連性を意識する”ことがポイントです。
休日はカフェ巡りをしながら、空間デザインやブランディングの視点で店内を観察するのが好きです。
その感覚が、現職での企画提案にも活きています。
このように、プライベートと仕事をつなげることで、立体的な人物像を浮かび上がらせることも可能です。
まとめ

20代後半の転職における自己PRは、単なる実績のアピールではありません。
採用担当が見極めようとしているのは、
「この人はどんな考え方をする人か」
「うちで活躍してくれそうか」
「一緒に働きたいと思えるか」
という3つの視点です。
そのために大切なのは、
- 数字の裏側にある思考を語ること
- 再現性を意識すること
- 失敗から学ぶ姿勢を見せること
- 志望動機と一貫したストーリーを作ること
- そして、あなたらしさを言葉にすること
の5つのポイント。
自己PRは、”あなた自身をブランディングする”という作業です。
丁寧に、誠実に、そして自分らしく。
その積み重ねが、採用担当の心に届く自己PRを作り上げるでしょう。


