退職代行vs弁護士vs自力退職|費用・安全性・リスクの本音比較ガイド
会社を辞めたい。
でも、上司に言う勇気がない。
そんな時に“逃げ道”として近年話題なのが「退職代行」です。
しかし、最近では某退職代行業者の家宅捜索など、その法的リスクも話題になっています。
この記事では、
- 退職代行を使っても大丈夫なのか?
- どんな時に弁護士を使うべきなのか?
- 自分で手続きする場合はどうなるのか?
といった3つの選択肢を「費用・時間・リスク・心理負担」で徹底比較し、もっとも安全で確実な辞め方について考えていきます。

「退職代行」を使う前に知っておきたいこと

やってくれること
あなたに代わって会社に「退職の意思」を伝えてくれるのが、退職代行です。
- 出社しなくても退職を進められる
- 即日対応のサービスもある
といったメリットがあります。
注意すべきこと
もし退職代行業者が、
- 残業代請求
- 退職金交渉
など「交渉」にまで踏み込むと、それは”非弁行為”に該当します。
「非弁行為」とは、ザックリと説明すると弁護士資格を持っている者しか行ってはいけないと法律で定められている行為(他人のもめごとに首を突っ込んで報酬を得ることなど)を弁護士資格のない人(または会社)が行うことです。
なんとこれは犯罪です。 非弁行為を行うと処罰されることになります。
札幌弁護士会
つまり、実際に退職代行業者が行えるのは「退職の意思を伝えることだけ」なのです。
しかし実態は、非弁行為を行なったとして捜査対象となってしまったり、法律知識のない業者が多く、トラブルが起きた際に守ってもらえないというケースも。
”退職”自体はほとんどの場合可能ですが、安全性や、その他雑務の対応について考えた場合、利用には慎重になる必要があるでしょう。

退職代行・弁護士・自分で手続き ― どれを選ぶべき?

退職代行以外の選択肢として、
- 弁護士の利用
- 自分で手続き
の2つが挙げられます。
ここでは、それぞれの特徴からあなたがどの選択肢を取るべきか、考えていきましょう。
退職代行を使う場合
退職代行は「悪」ではなく、人によってはもちろん利用価値があります。
退職代行が有効なパターン
- 上司と話すメンタルの余裕がない
- ハラスメントが原因で会社に行けない
- 即日退職したい
- 一切のやり取りを避けたい
上記のように「心理的に限界」「連絡したくない」が主な場合、退職代行は非常に有効です。
退職代行が不向きなパターン
- 残業代や退職金の話で揉めそう
- 有給休暇について交渉が必要
- 就業規則を巡りトラブルになりそう
こういったケースでは「交渉」が発生するため、業者では対応不可。
弁護士が圧倒的に安全で確実です。
弁護士に依頼する場合
弁護士は費用こそ高いですが、法的トラブルが起きる可能性がある場合は唯一の「安全かつ合法」な選択肢となります。
弁護士が強い場面
- 未払い残業代や有給休暇消化の請求
- パワハラ・モラハラ関連の対応
- 就業規則をめぐるトラブル
- 会社側が「辞めさせない」「損害賠償」などと脅してくる
交渉も書類作成も、全て合法的に代行が可能です。
会社と揉めていたり、ブラック気質の会社には特に効果が大きいでしょう。

自分で手続きをする場合
最終的には「自分で辞める」という方法が最もシンプルでトラブルも少ないです。
メリット
- 無料
- 手続きが最もシンプル
- 会社としても“手続きしやすい”ので後処理が早い
デメリット
- 直属の上司と話さなければならない
- 言いづらいことを自分から言うプレッシャー
- メンタルが弱っていると難しい
本人が後ろめたく思っていても、意外と会社側は、あなたの新しい門出を応援してくれることもあります。
会社や上司と相当なトラブルを抱えていない限り、自分で退職願を出すことが、シンプルかつベストな方法です。

【総合比較表】退職代行 vs 弁護士 vs 自分で手続き

| 項目 | 退職代行 | 弁護士 | 自分で手続き |
|---|---|---|---|
| 費用 | 2〜5万円 | 5〜15万円以上 | 0円 |
| 時間 | 即日可能。やり取りは数時間で完了 | 相談〜契約で1〜3日、処理は確実 | 退職願を出せば当日〜数日 |
| 法的安全性 | △(非弁行為リスク) | ◎(法律に基づく代理交渉が可能) | 〇(形式を守れば問題なし) |
| 交渉力 | ×(本来交渉できない) | ◎(残業代請求、退職金、有給消化にも対応) | △(交渉は個人では難しい場合も) |
| 心理負担 | 小 | 中(相談の時間が必要) | 大(上司との対面が必要) |
| 向いている人 | 今すぐ辞めたい/会社に連絡したくない | トラブルが起きている/確実に処理したい | 気力が残っている/会社との関係が良好 |
あなたに最適な選択肢はどれ?
- とにかく今すぐ辞めたい
→ 退職代行(交渉なし前提) - 未払い・嫌がらせなど法的問題を抱えている
→ 弁護士一択 - 少し勇気が必要だが、普通に言えば辞められる
→ 自分で退職願を出す(メール・郵送も可)
上記の表とアドバイスを参考に、自分に最適な退職方法を見つけてみてください。

まとめ

退職代行は「辞める」という一点においては便利なサービスですが、最近のニュースでも明らかなようにグレーな業者が存在するのも事実です。
あなたの状況別に安全性と確実性を考えると、以下の結論になります。
- 心理的に限界なら退職代行はアリ(ただし安全性のチェック必須)
- 交渉が必要なら弁護士
- 「ただ言い出しづらい」というだけであれば、自分で伝えるのがベスト
安全に、確実に、そしてあなたの心を守れる方法を一番に考え、納得のいく選択をしてください。

